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2009年9月

2009年9月30日 (水)

病原性大腸菌に対するホスミシン

病原性大腸菌は毒素を産生する。その毒素が生体にダメージをあたえる。
通常、抗生剤により、大腸菌が溶菌した場合、菌内の毒素がばらまかれることになる。
しかし、ホスミシンはこの溶菌時の毒素の放出を抑えることができるらしい。

文献調査およびそのエビデンスを調べる必要があるが、とりあえず、NQ剤やセフェムなど感受性のある菌と併用することもある。(←感染専門Phより)

後日調べてみた。O157の産生するshiga toxins(Stxs:Stx1およびStx2)について検討したvitroの報告があり(高田ら:Jpn J Antibiotics 56(6), 691-696,2003) FOM(fosfomycin)毒性のつよいStx2の菌体内蓄積、遊離が少ないのはやはりFOMだった。これは一般的に成人にはNQ剤、小児にはFOMと言われている中で、上記のような毒素放出抑制の利点を考えてFOMを選択(併用する)メリットを支持する。今後は感受性試験の結果にもよるが、FOMの有用性を頭に入れておこう。ちなみに、成人では3g(6錠)/日くらいは必要だ。

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2009年9月 9日 (水)

アンカロンの副作用

アミオダロンの致死的副作用といえば間質性肺炎、肺胞炎、肺線維症、肝障害、甲状腺機能亢進症、甲状腺炎がある。

肺障害については、頻度1-17%という報告がある(Pollak PT: Am J Cardiol. 84, 37R, 1999)。
また長期服用により肺、脂肪組織、肝臓に沈着するとの報告がある(Markos J: Am J Cardiol. 56, 89, 1985)。
また半減期は15-60日程度と極めて長い

さらに、ヨードを含む化合物であるため甲状腺機能に影響を及ぼす。ヨードを含むためCTで造影剤様の高吸収域を認めるとの報告がある(Kuhlman JE: Radiology 177, 122, 1990)。

さらにさらに、ほぼ全例で角膜色素沈着があらわれるが、通常は無症候性であり、細隙燈検査でのみ認められる。また、視覚暈輪、羞明、眼がかすむ等の視覚障害及び視神経炎があらわれることがある。

もうひとつ注意しなければいけないのはCYP3A4で代謝される薬剤であるということ。半減期が長く、他の薬剤の代謝を阻害(2D6も)する場合にはやっかいである。

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2009年9月 8日 (火)

重症薬診とは

重症薬疹としては重篤な粘膜障害や表皮剥離をきたすStevens-Johnson症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN:toxic epidermal necrolysis)のほか,抗けいれん薬などの薬剤摂取後に紅皮症,肝障害,末梢血異常(白血球増多,好酸球増多,異型リンパ球増多),リンパ節腫大を生じ,経過中にヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の再活性化を伴う薬剤性過敏症症候群(DIHS:drug-induced hypersensitivity syndrome),全身の紅斑上に膿疱を生じる急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP:acute generalized exanthematous pustulosis)があり,いずれも高熱を伴う.DIHSでは薬剤中止後も肝障害や発熱など再燃を繰り返すことが少なくなく,再燃はHHV-6やサイトメガロウイルスの再活性化に対する免疫反応によると推察されている.

 薬疹の治療とは,速やかな原因薬の中止と体内からの排泄促進,皮膚粘膜障害や合併する臓器障害に対する治療,そして今後の進行の阻止である.軽症薬疹では原因薬の中止のみで速やかに消褪することが多いが,中等症以上では原因薬剤の中止にもかかわらず皮疹が持続したり,さらに進行して重症薬疹となることがある.全身の浮腫を伴う著しいじん麻疹や血管浮腫,38℃以上の発熱や肝障害などの臓器障害を伴う多形紅斑型や紅皮症型,SJS/TEN,DIHS,AGEPなどの重症薬疹は入院による全身管理が必要となる.特にSJS/TENはしばしば急激な経過をとることから,発症早期から速やかな治療の展開が求められる.

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2009年9月 7日 (月)

パンコースト腫瘍とは

Pancoast腫瘍とは肺の上部(肺尖部)にできる肺がんです。 肩から腕にかけて強い痛みがでるため、整形外科の病気と思い、最初に整形外科を受診する患者さんが少なくありません。
約90%は男性で、50~60歳代に多く発症します。
進行すると、夜間、上を向いて寝ると、上腕の内側に痛みが出たり、声がかすれる(嗄声(させい))といった色々な症状を起します。がんが首の方へ進むと、首から出る神経が刺激されて、肩から腕に痛みやしびれが出ます。首の交感神経が刺激されると瞳孔が小さくなる、上まぶたが下がる、汗が出なくなるなどの症状(ホルネル症候群)が出ます。肺の上部(肺尖部)のがんは、病巣が鎖骨や肋骨の一部と重なるため胸部のレントゲン検査で発見しにくいことがあります。肩や頚部の痛みで整形外科を受診した患者さんのレントゲン写真で、稀ですがパンコースト腫瘍が見つかることがあります。

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2009年9月 3日 (木)

圧迫骨折に伴う体動時痛の薬物療法

前立腺癌、乳癌など骨転移の多いがんと多発性骨髄腫など骨に対する病変を有する疾患ではしばしば「圧迫骨折」をきたす症例がある。この圧迫骨折に伴う痛み、特に体動時痛における薬物療法ついて調べてみた。

まず、病態としては侵害受容性疼痛(= nociceptic pain = noxious pain, ちなみにnociceptor = 侵害受容器)ではなく、神経障害性疼痛neuropathic pain である。

治療法としてはまず、NSAIDsから始めWHO除痛ラダーに従ってopioidおよび非opioidを使用する。opioidに抵抗を示したり、レスキュー回数が多くなったりした場合は、NMDA受容体拮抗薬としてケタミンの有用性が報告されている(金出ら、日本ペインクリニック学会誌 (1340-4903)12巻1号 Page37(2005.01) ←まだ読んでない)。さらに、その経口製剤としてセロクラールも報告がある(吉岡ら、日病薬誌42(9),1195,2006)。ただし、この鎮痛補助薬の選択はup to dateに記載されていないので海外では標準的ではないようだ。このような病態では国内外問わず、ステロイドは候補となるが、やはり神経障害性疼痛には抗けいれん薬などから開始するのかもしれない。いずれにせよ鎮痛補助薬の併用はした方が良いだろう。

もちろん、放射線やビスホスホネートは考えなければならないし、麻酔科的治療やリハビリなどでも効果があるとの報告もあるようだ。

薬剤師としては、作用メカニズムも復習しながら、「なぜ効くか」を考えていかなくてはいけないと思う。

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2009年9月 2日 (水)

ペントシリンの投与量

日々仕事をしていて、PIPCの投与量が明らかに少ない場合がある。通常の投与方法では「2g/回を6時間ごと」にである。腎機能が低下してCcrが50-10mL/minの場合2gを8時間ごと、10mL/min未満で2gを12時間ごと、となる。

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2009年9月 1日 (火)

定常状態と半減期

通常、血中濃度半減期(t1/2)の5倍の時間が経過するとCmaxの96%以上が体内から消失している(4倍の時間では93.75%が消失している)。したがって投与間隔(τ)がt1/2の4倍以上(5倍以上)の場合は定常状態をもたない(連続投与により蓄積しない)薬剤といえる。したがって、初回投与から効果を発揮するものが多い。

逆に、τ/(t1/2)が4より小さい場合は定常状態がある薬で、定常状態に達したときに確実に作用を発揮する(ということになっているが、実際はPKとPDにラグがあったり、動態だけで薬効が説明できない場合もある)。

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