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2010年2月 9日 (火)

偽アルドステロン症

患者さんに対して:
「「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」が現れて、だんだんきつくなる」

Pseudohyperaldosteronism

偽アルドステロン症は、低カリウム血症を伴う高血圧症を示すことから、低カリウム血性ミオパチーによると思われる四肢の脱力と、血圧上昇に伴う頭重感などが主な症状となる。筋力低下の進行により歩行困難、さらには起立不能となり、入院となる例が多い。初期症状に気付きながらも受診せず、起立・歩行困難になるなど重症化させてしまう例が多い。

注意しなければならないのは、血漿アルドステロン濃度 (PAC) がむしろ低下を示す症候群である。

薬剤性の偽アルドステロン症の治療としては、推定原因医薬品の服用を中止することが第一である。低カリウム血症に対してカリウム製剤を投与することも多いが、尿中へのカリウム排泄を増すばかりで、あまり効果がないとされる。抗アルドステロン薬であるスピロノラクトンの通常用量の投与が有効である。適切な対応が行われれば、予後は良好である。甘草を原因とするものでは、甘草含有物の摂取中止後、数週間の経過で臨床症状の消失と血清カリウムの上昇をみることが多い。

なお、アルドステロンは、遠位尿細管で、尿細管細胞の尿細管腔側(刷子縁膜側:brush boder:apical site)では、Na+チャ ネルENaC) を活性化させ、尿細管腔内(原尿中)のNa+を細胞内に流入させ、基底膜側(血管側:basolateral site)では、Na+/K+-ATPase(Na pump)を活性化させ、Na+を細胞内から細胞外(血液中)に汲み出すことで、 Na+の再吸収を促進させる。この結果(原尿中からNa+が細胞内に流入した結果)、尿細管腔側にはマイナス電位(陰 性荷電)が生じ、管腔側膜の電位依存性Kチャネルから、K+が、原尿中に排泄(放出)される。腎臓の集合管(集合尿細管) で行われるK+排泄は、体内のK調節に最も重要であり、主に、アルドステロンが調節している

原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)は、アルドステロンの過剰分泌でナトリウム(Na)貯留に傾き体液増加に従って高血圧が生じ、同時にカリウム(K)排泄増加 による低K血症、アルドステロンそのものによる臓器障害(脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心肥大、不整脈、腎不全等)を示す疾患である。臨床調査研究分野の対象疾患(130疾患)の一つである。

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