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2010年3月 8日 (月)

チザニジンとフルボキサミンの併用

筋弛緩剤として用いられるチザニジン(商品名:テルネリンほか)と、SSRIのフルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)を併用すると、チザニジンの血中濃度が大きく上昇し、その影響で高度の血圧低下が起こる――Fluvoxamine drastically increases concentrations and effects of tizanidine: a potentially hazardous interaction.Clin Pharmacol Ther. 2004 Apr;75(4):331-41.)

本研究では、成人健康男性10人にフルボキサミン100mgあるいはプラセボを1日1回4日間経口服用させ、5日目の朝に4mgのチザニジンを経口服用さ せた後に、経時的に採血や血圧測定などを実施した。その結果、フルボキサミンを投与することによって、チザニジンの AUC(0→∞)は平均で33倍(14~103倍、p=0.000002)、最高血漿中濃度は平均で12倍(5~32倍、p=0.000001)増加し、 血中半減期は1.5時間から4.3時間に延長した(p=0.00004)。またフルボキサミン投与群では、プラセボ投与群に比べて、収縮期血圧が平均 35mmHg低下(27~44mmHg、p=0.000009)、拡張期血圧が平均20mmHg低下(15~25mmHg、p=0.00002)、心拍数 が平均4拍/分減少(2~7拍/分、p=0007)などの変化が認められ、これらはチザニジンの血中濃度上昇に起因するものと考えられた。特に収縮期血圧 は、フルボキサミン投与群で平均79mmHgまで低下しており、危険性が高かったとしている。

 この相互作用は、フルボキサミンが、チザ ニジンの代謝酵素を阻害するために起こると考えられている。具体的には、フルボキサミンは、肝薬物代謝酵素チトクロームP450のサブタイプ 1A2(CYP1A2)を強く阻害することが知られている。一方、チザニジンの代謝に関与するチトクロームP450のサブタイプはこれまで不明だったが、 今年3月に、前記の臨床研究を行った同じ研究者が主にCYP1A2で代謝されることをin vitro試験で確認し、報告していた(Bri. J. Clin. Pharmacol., 57: 349-353 ,2004)

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