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2010年4月 1日 (木)

核の左方移動

細菌感染症では好中球が増加します。細菌感染により組織が損傷され、好中球が細菌を貪食消化(消費)されると、末梢血の好中球を補うために骨髄のプールから放出されるためです。なお、敗血症など重症感染症では組織での消耗が激しく、好中球数が減少するので要注意。

さて、好中球は前骨髄球から有糸核分裂によって成熟細胞である後骨髄球(metamyelocyte)へと分化増殖します。さらに後骨髄球になると分化せずに桿状の核を持っている桿状核球(stab cell or band cell)から核が3~4つに分葉した分葉核球(segmented cell)へと成熟し末梢血に現れます(一般的に分葉核球がほとんどで桿状核球は白血球の10%前後)。

感染時には骨髄プールから急速に末梢血に好中球が動員されるため、桿状核球の割合が増え、後骨髄球まで出現することがあります。これをArnethの核左方偏移(left shift)と呼びます。すなわち、急性炎症期などでは未成熟の(=分葉核球に至る前の)桿状核球などの多い末梢血になるということです。これは、核の分葉数と好中球との関係をグラフに描いたときに、幼弱な好中球の比率が増加すると、最も好中球数が多い分葉数(ピーク)がグラフ上で左側、つまり分葉核数の少ない方 にシフトすることから、そう呼ばれます。

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