抗がん剤・化学療法

2011年11月17日 (木)

低マグネシウム血症について

【1】血清Mgが1.2mg/dL(1mEq/L)以上では無症状のことが多い。

【2】低Mg血症による症状は,神経筋接合部での興奮性の亢進に基づくテタニー,腱反射亢進,Chvostek徴候・Trousseau徴候の陽性などに加え,振戦,痙攣,小脳性運動失調,筋力低下,無気力,うつ,イライラ,せん妄などである。

【3】心症状としては,心房性および心室性不整脈,PR・QT間隔の延長,T波の平低化・陰転化などがみられる。さらに,低Mg血症はジギタリス中毒に対する心筋感受性を高める。

【4】低Mg血症には低Ca血症,低K血症が高頻度に合併し,これが臨床症状をさらに修飾する。低Ca血症はPTHの分泌および作用発現の両者を阻害することによりもたらされる。低K血症は,尿細管K再吸収の障害によりもたらされる。低Mg血症に起因する低Ca血症や低K血症に対して,これらに対する治療を行っても正常化は困難で,Mgの補充によりいずれも正常化する。

緊急措置としては

【1】重症の低Mg血症(<1.2mg/dL,<1mEq/L)は,経静脈的にMgを補充することにより一般に速やかに改善する。

【2】腎機能が正常であれば,通常1時間あたり2~4mEqの補充により血清Mg濃度を2.4~3.6mg/dL(2~3mEq/L)程度に維持できる。

【3】1日あたり100mEq以下の補充にとどめることで,2日後の血清Mg濃度は一般に5mg/dL(4mEq/L)以下に維持できる。

【4】腎機能が正常な場合には1日あたり最大400mEqを排泄可能であるが,たとえ軽度の腎機能障害があってもMg排泄は1/2~1/3にも低下しうるので,常に血清Mg濃度を測定しつつ補充する。

硫酸マグネシウム補正液は1mEq/mLで本剤は1 管(20mL)中に硫酸マグネシウム水和物(MgSO4・7H2O)2.46g(0.5mol/L)を含有する。必ず希釈して用いる。通常1A投与に30分くらいはかけたほうが良いと思う。

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2011年6月 8日 (水)

ドセタキセルのむくみ

ドセタキセルの体液貯留(fluid retention)はup to dateによると
頻度:(13% to 60%; dose dependent)
The incidence and severity of fluid retention increases sharply at cumulative doses ≥400 mg/m2. Patients should be premedicated with a corticosteroid (starting 1 day prior to administration) to prevent or reduce the severity of fluid retention. Closely monitor patients with existing effusions.
と書いてある。
発現時期は数週間後~数か月後くらいか。

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2011年3月 1日 (火)

CHOPでPLSを先行する理由

「CHOPに限らずですが、抗がん剤のプロトコールにステロイドが有る場合、ステロイドそのものの抗腫瘍効果を期待すると同時に、他の抗がん剤の副作用、随伴症状(TLS)を抑えること、複雑な合併症を有する患者に対する急激な抗腫瘍効果による生体への影響を緩和する目的があるため、最初に使用されることがある」そうです。

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2010年3月 7日 (日)

パロキセチンとタモキシフェンの併用について

BMJに前向き研究が掲載されました。

タモキシフェンは薬物代謝酵素CYP2D6により代謝を受け活性代謝物であるエンドキシフェンなどに変換されて効果を発揮しますが、この酵素阻害作用を有するパロキセチンを併用(がんに伴ううつなどに対して)すると、TAMの効果が減弱するということが明らかになりました。

タモキシフェン使用期間の25%に相当する期間にパロキセチンを併用していた患者では、乳癌死亡の調整ハザード比は1.24(95%信頼区間 1.08-1.42)、50%の期間で併用していた患者群では1.54(1.17-2.03)、75%の期間併用していた患者では 1.91(1.26-2.89)でした。

全死因死亡についても同様で、パロキセチン併用期間がタモキシフェン使用期間の25%だった患者の調整ハザード比は1.13(1.05-1.23)、50%では1.28(1.11-1.50)、75%では1.46(1.15-1.84)でした。

パロキセチン併用の絶対リスクについては、パロキセチンの平均併用期間はタモキシフェン治療期間の41%であり、このレベルの併用は、タモキシフェン投与完了後の5年間に19.7人(95%信頼区間12.5人-46.3人)に1人の割合で乳癌死亡を増やしていました。

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2010年2月 8日 (月)

Dose Intensity とは

①RDI(Relative Dose Intensity)= dose intensity/planned dose intensity × 100

ex.) L-OHP 4Cycle
 planned dose intensity (mg/m2/week)=85 (mg/m2)×4 (cycle)/8 (week)

②DI; dose intensity(mg/m2/week)=L-OHP Total Dose(mg/m2)/投与期間(week)

ex.)1~4サイクルRDI算出時の投与期間
 投与期間(week)={4サイクル目投与日一1サイクル目投与日+14}/7

③完遂率(%)=100%RDIを達成した症例数/検討を行った症例数×100

だそうです。

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2010年1月26日 (火)

セツキシマブによる鼻腔内出血への対応

抗がん剤(セツキシマブ)の副作用だと思われる鼻出血。鼻出血自体は大したことないが、やや痛みもあり、患者さんも何か塗っておきたいとおっしゃる。医師より相談あり。
考えられる対処としては、
①もともとMediumクラスのステロイドは処方されており、それを塗る
②感染予防に抗生剤を塗布
③無難なワセリン?
④その他
ということで、①は鼻出血の原因が炎症の可能性もあり、抗炎症効果が期待できること、塗布量が少ないため、粘膜(粘膜といっても指と麺棒でぬれる範囲)からの吸収量も微量であろうこと、ただしもし感染していたら局所の感染が増悪するリスクもある。②はゲンタマイシンなどは、はっきりいって鼻の粘膜の常在菌(表皮ブ菌など)に耐性があり、ほとんど意味がない。③はワセリンはちょっとべたべたするし・・・④は何かないかなぁ、と考え、今回はアズノーるを少量塗布することで提案しました。①でも問題ないかということも説明し、結局アズノールを処方されました。

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2010年1月25日 (月)

クレスチンの適応

医師より連絡あり。クレスチンが保険で切られたらしい(まだまだ未確認情報)。で、消化器の適応をよく読むと・・・
「胃癌 (手術例) 患者及び結腸・直腸癌 (治切除例) 患者における化学療法との併用による生存期間の延長」
とある。つまり、CKやRKでは治癒切除でないとダメ?・・・ベバシズマブやセツキシマブを投与している患者はアウトっていうことか。

もしそうなら、クレスチン3g/日で1600円/日となり、48000円/月、57万/年の損失??

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2010年1月19日 (火)

イホマイドの溶解後の安定性

「溶解後はなるべく速やかに使用し,保存する必要がある場合には,冷所保存では24
時間以内,室温保存では6 時間以内に使用」ということなので、夕方投与する場合は冷所保存になります。したがって、軟部肉腫のMAID療法などで、調製後投与までに時間があるときは注意しましょう。なお、常温で6時間過ぎ(1日後)では、pHが5.17→5.04へ、分解物が0→3へと変化する。ちなみに、冷所では1日以降(2日後)では、pHが5.17→5.12へ、分解物は3個へ。ちなみに、含量は比色法、ガスクロ法でもMAX101.9→99.3(1日後)くらいになるが、このあたりの含量低下は6時間、1日、2日と経時的に低下しているわけではないので、あまり関係ないか。

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2010年1月18日 (月)

子宮頸がん予防ワクチンの接種方法

商品名「サーバリックス」(不活化ワクチン)

半年の間に3回接種(初回、1ヵ月後、6ヵ月後)→効果は6.4年続く。
接種期間の途中で妊娠した際には、その後の接種は見合わせることとされている。

発がん性HPVの中でも特に子宮頸がんの原因として最も多く報告されているHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンだが、全てを防ぐわけではないので、年に1回は検診を。

ワクチンは、小児科、内科、産婦人科で受けられる。対象年齢は10才以上。3回接種で費用は3回で5~6万円ほど(保険適用外)だが、公費の負担が期待される。

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2010年1月 9日 (土)

治療抵抗性胃癌に対するweekly PAC投与

Gastric Cancer (2009) 12: 206–211
静岡がんセンターからの報告。
CDDP、5-FU、CPT-11に抵抗性の進行胃がんにweekly PAC(80mg/sqm、3投1休)を投与した場合のレトロスペクテイブスタディで、奏効率23.2%,PFS105日、生存期間中央値201日、腹水消失31.3%と一定の効果を示した。
 PACは、NSCLC、MMK、卵巣癌でも3週毎より週1回投与の方が良い結果を示しているので、胃がんでもそれに続く結果か?⇒今後前向きな検討が必要と思います。

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