疾患と治療法

2010年4月 5日 (月)

ネオカキックス?

しゃっくりが止まらない人に、柿の蔕(ヘタ)というのはよく聞きます。柿蔕(シテイ)湯というものもあるくらい。

ですが、これが商品になっているとは知りませんでした。
「ネオカキックス(コタロー)」
http://www.kotaro.co.jp/product/detail/g174.html

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2010年4月 4日 (日)

terminal ileusに併発する悪心・嘔吐に対するクロルプロマジン

患者さんは、60代女性。がん性腹膜炎で消化管閉塞し、胃管挿入状態。嘔気に対してサンドスタチン、ステロイドは既に使用中。血糖値が安定せず、オランザピンは使用不可。ハロペリドールは持続で効果なし。→どうする?

ひとつの提案としては、クロルプロマジン。
では、投与量は?
・・・どこにも記載がない。あれこれ探したが、最終的にup to dateより「I.M., I.V.: 25-50 mg every 4-6 hours」と記載あり。ちなみにOral: 10-25 mg every 4-6 hoursと記載あり。

日本ではivの適応はないが、毎回筋注?というのもどうかと判断し、生食100mLで1時間程度でおとしては?と提案。もちろん、保険適応ではありません。投与量は、電解質異常、低アルブミン、ビリルビン上昇などを考慮して、1A(25mg)ではなく0.5Aから開始。頓用で様子を見て、1日2回などにするか考えてみてはどうか、と提案した。

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2010年4月 3日 (土)

肺高血圧症とは

血液は右心室から肺動脈を通って肺へ送られます。肺では、二酸化炭素を血液中から取り出し、酸素を血液中に取りこみ ます。普通は、左心室に比べて右心室の壁は薄く、これは右心室が血液を肺動脈へ送り出すのに、比較的少ない筋肉と労力しか必要としないからです。一方、左 心室は血液を全身に送り出さなければならないため、より強固で筋肉も多くなっています。さらに、肺動脈を通る血圧は全身の血圧より低く、全身の血圧の正常 値が約120/80mmHgであるのに対し、肺動脈の血圧は25/15mmHgしかありません。

肺動脈の血圧が異常に上昇することを肺高血圧症といいます。やがて上昇した血圧は、太さを問わず肺動脈を損傷させま す。毛細血管の壁は厚くなり、血液と肺の間で、正常な酸素と二酸化炭素の交換ができなくなります。そのため、血液中の酸素濃度が低下します。酸素濃度の低 下は肺動脈の狭窄を起こします。この変化によって、肺を循環する血管の血圧がさらに上昇します。

肺高血圧症では、右心室は肺動脈を通して肺へと血液を送り出すのが困難になります。やがて右心室は肥厚して拡張し、 肺性心と呼ばれる心不全(心不全を参照) を引き起こします。

一部の患者では、血液中の酸素不足を補うために骨髄が大量の赤血球を産生し、赤血球増加症(骨髄増殖性疾患: 真性赤血球増加症を参照)という病気を起こすことがあります。過剰な赤血球のために血液はより高濃度に、より粘着性が高くなるので、心臓にかかる 負担はさらに増加します。これらの変化によって、肺性心の患者では、肺塞栓症(肺塞栓症を参 照)を発症するリスクが高まります。なぜなら、粘り気の強い血液は集まって、主に脚の静脈内に血液のかたまりをつくり、このかたまりが脚の静脈壁からはが れて肺へと運ばれるためです。

肺性心と肺高血圧症は同義語と思われがちですが、そうではありません。肺高血圧症は肺性心を起こす原因です。肺性心 の患者はすべて肺高血圧症です。しかし、やがて肺性心を発症することが多いとしても、肺性心を発症していない肺高血圧症の患者もいます。

原因

肺高血圧症には、原発性と続発性の2種類があります。原発性肺高血圧症は続発性肺高血圧症ほど一般的な疾患ではあり ません。原発性肺高血圧症の発症原因は明らかではありませんが、肺動脈の筋肉層のけいれんや萎縮によって始まると考えられています。原発性肺高血圧症にか かる女性は男性のほぼ2倍に上り、診断時点での年齢は、半数が35歳以上です。続発性肺高血圧症は、肺の外観や機能に影響を及ぼす別の疾患によって起こり ます。

続発性肺高血圧症は、肺への血液の流れを妨げる疾患や、血液中の酸素濃度を持続的に低下させる疾患が原因で発症しま す。最も一般的な原因の1つは、慢性閉塞性肺疾患(慢性閉塞性肺疾患を 参照)です。肺がこの疾患にかかると、心臓は肺へ血液を送り出すのにいっそうの努力が必要になります。やがて慢性閉塞性肺疾患は、肺の内部の毛細血管や肺 胞を破壊します。慢性閉塞性肺疾患によって肺高血圧症が起こる原因として最も重要なのは、血液中の酸素濃度が低下して肺動脈が狭くなることです。

肺高血圧症を起こす別の疾患には、肺の組織に広範囲の瘢痕化が生じる肺線維症(浸潤性肺疾患: 特発性肺線維症を参照)があります。瘢痕化した組織ではその部分を循環する血管が損傷を受けているので、血液が非常に流れにくくなります。肺高血 圧症を起こすその他の肺疾患としては、嚢胞性線維症(嚢胞性線維症を 参照)や、アスベスト肺(職業性肺疾患: アスベスト肺を参照)、珪肺症(職業性肺疾患: 珪肺症を 参照)など特定の職業性肺疾患があります。

あまりみられませんが、手術や外傷などで広範囲の肺組織が失われたり、心不全、強皮症、ピックウィック症候群(呼吸 機能が低下するほどの肥満症)、呼吸筋を巻き込む神経疾患、慢性肝疾患、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、デクスフェンフルラミン‐フェンテルミン (食欲抑制薬)などのダイエット薬によっても、肺高血圧症は起こります。肺高血圧症が突然発症した場合は肺塞栓症(肺塞栓症を参 照)が原因です。これは、肺動脈の内部に血液のかたまりが詰まる重大な病気です。

症状

肺高血圧症の最も一般的な症状は激しい運動時に起こる息切れで、この病気が進行した患者のほぼ全員にみられます。激 しい運動で、頭がくらくらしたり疲労感を感じたり、狭心症のような胸痛もよくみられます。全身の組織に十分酸素が行きわたっていないため、患者は脱力感を 感じます。せきや喘鳴(ぜんめい)など他の症状はたいてい、肺の原因疾患によって生じます。特に脚でみられる浮腫(むくみ)は、静脈から組織内へ液体が漏 れ出すために起こります。普通、浮腫は肺性心が起きている徴候です。

肺高血圧症の患者の一部では、結合組織性の病気、特に強皮症(結合組織の自己免疫疾 患: 強皮症を参照)がみられます。この2つの病気を発症すると、肺高血圧症の症状が現れる前にレイノー現象(末 梢動脈疾患: レイノー病とレイノー現象を参照)を起こし、これは肺高血圧症が発症する数年前にみられることもあります。

原因は明らかではありませんが、肺高血圧症の患者は、肺高血圧症を発症する何年も前に関節痛を起こす場合がありま す。

診断

原因となる肺疾患がある患者では、症状をもとに肺高血圧症を疑います。胸部X線検査では、肺動脈の拡張が認められま す。心電図や心臓超音波検査(心エコー)を行うと、肺性心の発症前から右心室に特定の病気が認められます。たとえば心エコーでは、右心室の肥厚化や、右心 房と右心室の間にある三尖弁を通過する血液の一部の逆流が確認できることがあります。肺機能検査では、肺の損傷の程度がわかります。腕の動脈から血液を採 取し、血液中の酸素濃度を測定します。

肺高血圧症の診断を確定するには、腕または脚から静脈を通して右心室までチューブを通し、右心室と肺動脈の内部の血 圧を測定することが必要です。

治療

続発性肺高血圧症の治療は、原因となる肺疾患に対する治療が中心です。血管拡張薬には、カルシウム拮抗薬、一酸化窒 素、プロスタサイクリンなどがあり、これらは強皮症、慢性肝疾患、HIV感染症などと関連する続発性肺高血圧症に有効です。とはいえ、肺疾患によって起こ る続発性肺高血圧症に対してこれらの薬が効くかどうかはまだ証明されていません。ほとんどの原発性肺高血圧症に対し、プロスタサイクリンなどの血管拡張薬 は肺動脈の血圧を劇的に下げます。プロスタサイクリンは、手術によって皮膚の内部に留置されたカテーテルを通して静脈内へ注入されます。この薬によって患 者の生活の質(QOL)は改善し、生存期間は延長し、緊急に行う肺移植は減少しました。しかし、この薬の使用は一部の患者に危険を伴うため、最初に心カ テーテル検査室で血管拡張薬の効果を調べます。現在、プロスタサイクリンの皮下注射が可能になり、効果がみられる患者もいます。

経口投与できる新薬のボセンタンが有効な患者もいます。プロスタサイクリンと同じ種類のイロプロストは吸入薬で、プ ロスタサイクリンよりも合併症のリスクはかなり低いです。

肺高血圧症の患者の血液中の酸素濃度が低下している場合、鼻カニューレや酸素マスクを通して酸素を持続的に吸入させ ると、肺動脈内の血圧が下がったり、息切れが緩和することがあります。利尿薬は、全身にたまった液体を減少させるとともに肺にたまった液体も軽減させて、 肺でのガス交換を改善すると考えられています。抗凝固薬は、血液のかたまりの形成および肺塞栓症(肺塞栓症を参 照)の発症のリスクを軽減するために処方されることがあります。

片肺または両肺の移植は、原発性肺高血圧症の治療法として確立されています。移植を行わないと、ほとんどの人が診断 されてから2〜5年で死亡します。移植は、原因疾患の治療がうまくいかなかった重い続発性肺高血圧症に対して行われることもあります。

以上、メルクマニュアルより

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2010年2月 9日 (火)

偽アルドステロン症

患者さんに対して:
「「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」が現れて、だんだんきつくなる」

Pseudohyperaldosteronism

偽アルドステロン症は、低カリウム血症を伴う高血圧症を示すことから、低カリウム血性ミオパチーによると思われる四肢の脱力と、血圧上昇に伴う頭重感などが主な症状となる。筋力低下の進行により歩行困難、さらには起立不能となり、入院となる例が多い。初期症状に気付きながらも受診せず、起立・歩行困難になるなど重症化させてしまう例が多い。

注意しなければならないのは、血漿アルドステロン濃度 (PAC) がむしろ低下を示す症候群である。

薬剤性の偽アルドステロン症の治療としては、推定原因医薬品の服用を中止することが第一である。低カリウム血症に対してカリウム製剤を投与することも多いが、尿中へのカリウム排泄を増すばかりで、あまり効果がないとされる。抗アルドステロン薬であるスピロノラクトンの通常用量の投与が有効である。適切な対応が行われれば、予後は良好である。甘草を原因とするものでは、甘草含有物の摂取中止後、数週間の経過で臨床症状の消失と血清カリウムの上昇をみることが多い。

なお、アルドステロンは、遠位尿細管で、尿細管細胞の尿細管腔側(刷子縁膜側:brush boder:apical site)では、Na+チャ ネルENaC) を活性化させ、尿細管腔内(原尿中)のNa+を細胞内に流入させ、基底膜側(血管側:basolateral site)では、Na+/K+-ATPase(Na pump)を活性化させ、Na+を細胞内から細胞外(血液中)に汲み出すことで、 Na+の再吸収を促進させる。この結果(原尿中からNa+が細胞内に流入した結果)、尿細管腔側にはマイナス電位(陰 性荷電)が生じ、管腔側膜の電位依存性Kチャネルから、K+が、原尿中に排泄(放出)される。腎臓の集合管(集合尿細管) で行われるK+排泄は、体内のK調節に最も重要であり、主に、アルドステロンが調節している

原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)は、アルドステロンの過剰分泌でナトリウム(Na)貯留に傾き体液増加に従って高血圧が生じ、同時にカリウム(K)排泄増加 による低K血症、アルドステロンそのものによる臓器障害(脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心肥大、不整脈、腎不全等)を示す疾患である。臨床調査研究分野の対象疾患(130疾患)の一つである。

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2010年1月18日 (月)

子宮頸がん予防ワクチンの接種方法

商品名「サーバリックス」(不活化ワクチン)

半年の間に3回接種(初回、1ヵ月後、6ヵ月後)→効果は6.4年続く。
接種期間の途中で妊娠した際には、その後の接種は見合わせることとされている。

発がん性HPVの中でも特に子宮頸がんの原因として最も多く報告されているHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンだが、全てを防ぐわけではないので、年に1回は検診を。

ワクチンは、小児科、内科、産婦人科で受けられる。対象年齢は10才以上。3回接種で費用は3回で5~6万円ほど(保険適用外)だが、公費の負担が期待される。

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2010年1月16日 (土)

異形成治療からCCRTまで

昨日の続き。

異形成の治療法は 「円錐切除術」が最もよく行われています。最近はレーザーや高周波メスの使用が主流で、子宮頸部の一部を円錐状に切除します。出血も少なく手術時間も短時間(15~30分)で済みます。この治療法は子宮を切除することなく100%完治します。術後の妊娠・出産にもほとんど影響はありません。また、円錐切除術は膣側から手術をしますので、お腹を切ることはなく、お腹に手術痕がつくようなこともありません。

子宮頸がんになると、子宮を温存したまま円錐切除術で完治可能なのは初期がんのみです。それ以上進行している場合は子宮を摘出せざるを得ません。
子宮頸がんの「0期」は上皮内がんと呼ばれ、がんが粘膜層にとどまっている段階ですので、異形成と同様に円錐切除術で完治可能です。 「Ⅰa期(縦にひろがる)」でも一部は円錐切除術で完治します。
子宮頸がんが進行した場合は子宮を摘出する「外科療法」や「放射線療法」、抗がん剤を投与する「化学療法」などを行います。日本ではⅡb期までは手術することもあるようです。(広汎子宮全摘出術など)

Ⅲ期やⅣ期になると同時化学放射線療法が行われCDDPがメインのChemoと併用します(CDDP単剤、40mg/sqm/week, 6コースが標準)。

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2010年1月14日 (木)

熱性けいれんにジアゼパム坐剤

通常、0.5mg/kgの坐剤を2歳未満の乳幼児に投与すると30分程度で有効血中濃度(150ng/mL以上)に達す。これを8時間後に2回目を投与すると、ジアゼパム血中濃度は初回投与後、24hr以上有効血中濃度を維持する。ちなみに、Cmax 379ng/mL、Tmax 1.5hr、t1/2 32.8hrである。なので、以下のように使い方に注意する。特に、3回目を使うならば要注意!

1)自然放置が望ましい場合

 過去の熱性けいれんが2回以下で、かつ全ての要注意因子が陰性の場合には発熱の原因疾患に対する治療のみを行い、熱性けいれん再発に関しては無処置のまま経過を観察する。

2)発熱時ジアゼパム応急投与が望ましい場合

 下記の3項目のいずれかに該当する場合は、発熱時速やかにジアゼパム坐剤の投与を行うことが望ましい。
 (a) 15~20分以上の発作が過去に1回でもあった場合。
 (b) 要注意因子中、2項目またはそれ以上が重複陽性で、過去に発作を2回以上経験している場合。
 (c) 短期間に発作が頻発する場合(例:半日で2回、半年で3回以上、1年で4回以上)。

 (実施法)
 *37.5℃を超す発熱時にジアゼパム坐剤または経口剤を保護者が速やかに投与する。初回投与後8時間経過してもなお発熱が持続する時は、同量を追加投与してもよい。通常、2回投与で終了とする。状況判断で3回目投与を行ってもよいが、3回目は初回投与から24時間経過後とする。
 *ジアゼパム坐剤に解熱剤を併用するときは、解熱剤を経口剤にするか、坐剤を用いる場合にはジアゼパム坐剤投与後少なくとも30分以上間隔をあけることが望ましい。ジアゼパム坐剤に解熱剤坐剤を併用すると、ジアゼパムの初期の吸収が阻害される可能性がある。
 *実施期間は通常2年間、もしくは4~5才までを目標とする。
 *副作用として、しばしば一過性に軽度のふらつき、興奮、嗜眠(眠り込む)などがみられるが、呼吸抑制のような重大な副作用はない。

 (効用)
 発熱時応急投与によって、再発率は約1/3に低下する。使用法や持ち運びが簡単であり、保護者が家庭や外出先で即応時に実施できる利点がある。再発予防に自らが積極的に貢献できる、あるいは緊急時に構ずべき有効手段を常備していることで、保護者は充足感と安心感を得ることができる。反面、不安感に駆られて過剰投与に陥らないように注意しなければならない

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2010年1月 7日 (木)

ワクチンを接種する間隔

インフルエンザワクチン接種直前に受けた予防接種が生ワクチンであった場合は、接種した日の翌日から起算して27日以上の間隔をあけます。これは、生ワクチンが体内で増殖することによる相互干渉を防止し、確実に免疫付与するためです。生ワクチンには、ポリオ、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、BCGなどがあります。

インフルエンザワクチン接種直前に受けた予防接種が不活化ワクチンあるいはトキソイドであった場合は、接種した日の翌日から起算して6日以上の間隔をあけます。これは、不活化ワクチンやトキソイドによる副反応の大半は接種後1週間以内に出現するためで、その時期を過ぎれば副反応が生じた場合でも原因を突き止めやすいという理由からです。DPT、DT、日本脳炎、インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、B型肝炎、A型肝炎、狂犬病、破傷風などの後に接種する場合が、これに当てはまります。

インフルエンザワクチン接種後に他のワクチンを接種する場合は、6日以上の間隔をあけます。これは、わが国のインフルエンザワクチンが不活化ワクチンだからです。

医師が必要と認めた場合は、2種類以上の予防接種を同時に行うことができます。例えば、複数の病気に対する免疫を急いでつけたい場合などがこれに該当します。同時接種の場合は、2種類のワクチンをあらかじめ1本の注射器に混合してはならず、別々の部位に接種します。右上腕と左上腕の組み合わせや、海外の筋注では大腿外側上方も接種部位としてよく選択されます。成人や年長児であれば、一方の上腕に2種類(2本)接種することも十分可能です。なお、米国小児科学会では、「同じ腕に接種する場合は、局所反応がどちらのワクチンによるものであるかを鑑別するために、1インチ(=2.54cm)以上離れた部位に接種する」と勧告しています3)

海外の接種間隔に関する規定は、日本ほど厳密ではありません。米国小児科学会によれば3)、2種類以上の生ワクチンは、「もし同時に接種しないなら27日以上の間隔をあける」としていますが、2種類以上の不活化ワクチンあるいは不活化ワクチンと生ワクチンは「どんな間隔でも接種可能」としています。ただし、まだ使用され始めて間もない結合型髄膜炎菌ワクチンと年長児あるいは成人用DPTワクチン(Tdap)の組み合わせについては、「同時接種でなければ27日以上の間隔をあけること」としています。

わが国では、万が一健康被害が発生した際に適用される制度が、予防接種法一類疾病、二類疾病、任意接種でそれぞれ異なることもあって、接種間隔をあけて一つずつ接種すべきという慎重な意見が多数を占めます。一方米国では、同時接種や異なる接種間隔のエビデンスを積み上げて有効性や安全性に差が無いことが示されています。予防医学の観点からは、同時に複数の接種を行う方が高い接種率を期待できます。わが国においても、今後積極的な臨床研究による実証が進むことを期待します。

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2010年1月 5日 (火)

イレッサはNSCLCの第一選択?

IPASS試験より
(N Engl J Med 2009; 361:947-957)

化学療法未治療で、非喫煙(または少し喫煙歴)があり、PS 0-2のIIIB期またはIV期の肺腺がん患者1217例(東アジア)を対象に、1次療法としてゲフィチニブ単独群と標準化学療法であるカルボプラチンとパクリタキセル併用化学療法群の効果を比較した結果、ゲフィチニブが有意に優れている(優越性)があることが確認された。Primary Endpointは無増悪生存期間。

なお、ITT解析(サブグループ解析)でEGFR遺伝子変異ありの症例では無増悪生存期間、奏効率ともゲフィチニブ群が有意に良好である一方、EGFR遺伝子変異なしの症例では化学療法群が有意に良好であった

この「EGFR遺伝子変異なし」では化学療法群の成績が良いという結果と、逆にゲフィチニブを投与すべきでない患者(EGFR遺伝子変異なし)も明らかになったことは、将来EGFR遺伝子変異検査の必要性と患者選択の可能性を示唆し、非常にインパクトのある論文である。

 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬は、血液毒性もなく患者QOLを向上させるが、ゲフィチニブやエルロチニブには間質性肺炎等の致死的な有害反応や、ざ瘡様皮疹などの患者QOLを損なう有害反応もあるため、十分な対策を行った上での投与が必要になると思われます。

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2009年9月30日 (水)

病原性大腸菌に対するホスミシン

病原性大腸菌は毒素を産生する。その毒素が生体にダメージをあたえる。
通常、抗生剤により、大腸菌が溶菌した場合、菌内の毒素がばらまかれることになる。
しかし、ホスミシンはこの溶菌時の毒素の放出を抑えることができるらしい。

文献調査およびそのエビデンスを調べる必要があるが、とりあえず、NQ剤やセフェムなど感受性のある菌と併用することもある。(←感染専門Phより)

後日調べてみた。O157の産生するshiga toxins(Stxs:Stx1およびStx2)について検討したvitroの報告があり(高田ら:Jpn J Antibiotics 56(6), 691-696,2003) FOM(fosfomycin)毒性のつよいStx2の菌体内蓄積、遊離が少ないのはやはりFOMだった。これは一般的に成人にはNQ剤、小児にはFOMと言われている中で、上記のような毒素放出抑制の利点を考えてFOMを選択(併用する)メリットを支持する。今後は感受性試験の結果にもよるが、FOMの有用性を頭に入れておこう。ちなみに、成人では3g(6錠)/日くらいは必要だ。

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